2013-01-01から1年間の記事一覧

インド映画『Dum Maaro Dum』2011年

インド映画と云えば、歌って踊って『Sound Of Music』(1965年)が古いなら、 『Grease』(1978年) のインド版のイメージ。 女性の鈴のように高くひなる声が好まれるようで、どの映画も、同じ中年女性が唱っているって、まことしやかに云われたものです。全て同…

韓国映画『Poetry』(『ポエトリーアグネスの詩(うた)』2010年)

『Poetry』(2010 年)は、韓国のLee Chang-dong(李滄東)監督の作品です。高校の国語の先生から作家、それから映画製作の修行も基礎も何もないのに、映画監督になった、と云う人物。そう云った意味では、映画屋ではなく、作風も作家らしい。カット、スタイル…

フィリピン映画『You Are The One』(2006年)

フィリピン映画歴史を「アメリカの植民地から自立しようとする歴史」と見る人がいるが、300年にも及ぶ長いスペインの植民地、その後はアメリカの植民地であったことを考えれば当然の現象には違いない。映画に於いては、どこの国も大なり小なりハリウッド映画…

韓国映画:『The Thieves』2012年/日本題『泥棒たち』

『The Thieves 』は、韓国歴代動員記録第2位の映画です。(#1は、ポン・ジュノ監督の『The Host 』/『グエムル−漢江の怪物』2006年)。ベスト10に入っている映画って、年齢に関係なく大衆にアピールする映画に違いない、とは当然思うけど、秀作と云わ…

台湾映画『Warriors of The Rainbow:Seediq Bale』

台湾映画史上、もっとも製作費がかかったと云われる映画 『Warriors of the Rainbow: Seediq Bale』(2011年『賽紱克 巴萊』)は、台湾の原住民と日本統治時代の日本軍との間に1930年10月27日実際に起きた大虐殺、霧社(Wu She)事件を描いている。シーデッ…

邦画『歩いても 歩いても(Still Walking)』2008年

『歩いても、歩いても』(2008年、『Still Walking』) 是枝裕和を国内で誰もが知る名前にしたのは、映画『誰も知らない』(『Nobody Knows』2004年)主演の14歳の柳楽優弥が、カンヌ映画祭で日本人として初めて、しかも最年少で“最優秀男優賞”に輝いた時だ…

香港映画:『Overheared (竊聽風雲)』2009年

香港映画の名作の一つ、『Infernal Affairs 』(2002年)、の脚本家アラン・マック(麥兆輝)とフェリックス・チョング(莊文強)の二人が、共同監督して映画を作ったら、すごい事になったって、感じ。二人の共同作品は、最新作『The Silent War』(『聴風者…

タイ映画:『Yamada the Samurai of Ayutthaya』2010年

“Yamada”とは、山田長政のことである。沼津藩主の「駕篭かき」をして いたこの人物は、1612年に密航してシャムに渡った、と云われている。今までも遠藤周作、山岡荘八、白石一郎、和久峻三、中津文彦など の小説家が、山田長政を描いてはいるが、実際彼…

韓国映画『The Front Line』(2010年)

先日亡くなられた、映画『キャタピラー』(2010年)の若松孝二監督が史実を扱った映画『実録・連合赤軍—あさま山荘への道程』(2008年)は、上映時間が3時間ちょっと、と長いが、人間と云う生き物を嫌になるほど見せつけられて、観賞後しばし立ち上がれなか…

『A Thousand Years of Good Prayers』 (日本題『千年の祈り』2007 年)

この映画の監督、Wayne Wang、の1982年作品『 Chan Is Missing 』は、たった2万ドルの予算で白黒で撮影した作品であるが、まあメジャー映画だ、と認識する人もいるらしいが、いくらメガヒットしたからって、元は“small & sweet”独立映画作品である。そ…

『Beast Stalker』( 『證人』,2008年)

香港映画のアクション、カーチェースはハリウッドに決して劣らない。むしろハリウッド程お金をかけないでこなしてしまうから、もっと優れている、と云っても決して過言ではないだろう。が、それ以上に驚きを隠せないのは、最近の香港映画のドラマ性(ドラマ…

『The Yellow Sea』(2010年、日題“哀しき獣”)

漢字では『黄海』。日本語題名は“哀しき獣”。日本人は、「哀しい」とか、「哀愁」とかに敏感に反応しちゃうのか、男の話だと、獣とか、狼とか好きですよね。確かに男臭さが滲み出た格好いいタイトルだけど、この映画の特徴が出ていない、と思うのです。『黄…